給湯器の機器寿命は「7年~10年」です。もちろん使用頻度によって大きく変わるため、ここで言う年数はあくまで目安ということになります。
しかし給湯器の寿命はあまり知られていないことが多く、人によっては「給湯器の寿命は20年くらい?」と思っているかもしれません。
そのような場合、10年くらいで給湯器交換をするという選択肢になることはなく、自ずと修理の方向に進んでしまうことでしょう。
しかし実際には給湯器本体は耐用年数を迎えているため、次々と故障してしまうことで「あの時、修理しないで給湯器本体を交換しておけば良かった」という後悔に繋がりかねません。
このページでは、後悔しない給湯器交換をするための基本情報として「給湯器の機器寿命と耐用年数」についてご紹介します。
給湯器の機器寿命と耐用年数
給湯器の機器寿命・耐用年数は10年が1つの目安
ガス給湯器は機器の設計を行う際に標準的に使用した場合を10年と定めています(設計標準使用期間)。
この10年を越えますと経年劣化のリスクが高まり、故障や不具合の起きることがあります。万が一の場合の備え、10年たったら点検または取替えをおすすめします。
ここではガス給湯器となっていますが、ガス給湯器も石油給湯器も基本的には設計標準使用期間が10年と定められています。
この設計標準使用期間というのは、全国的な給湯器の平均使用時間や設定温度などを基準に考えられている給湯器の寿命を指す基準です。
各給湯器の取扱説明書にも記載がありますが、以下のような基準になっています。
給湯器の設計標準使用期間とは?
設定温度などの細かい条件がありますが、大雑把に捉えれば「1日の使用時間を1時間とすると3650時間使用できる」というのが1つの基準です。
もちろん1日当たりの使用時間が1時間を上回るようであれば、機器寿命も短くなることは予想されます。
ただし基準はあくまで1日1時間を想定したものであり、1日2時間使えば5年という意味でもなければ、1日30分なら20年という意味でもありません。
給水温度が1年間で15℃、出湯温度が40℃という基準からも分かるように、この温度差が大きければ大きいほど給湯器には負担が大きくなります。
暖かい地域と寒い地域で同じように給湯器が使用できるという意味でもなく、住んでいる地域や使い方によっても給湯器の寿命は変わってくるということを理解してください。
使用10年を超えた給湯器は点検を受けることがルール
2009年4月以降、給湯器は法改正の対象となりました。具体的に言うと「使用から10年が経った給湯器は点検を受けなければならない」という決まりができています。
これによって10年近く使用した給湯器には点検時期のお知らせという意味のエラー番号が搭載されていたり、給湯器を取り付ける際には所有者登録をするようにお願いされるようになりました。
使用から10年経った場合の点検は「法定点検・あんしん点検」と呼ばれるもので、10000円ほどの費用が発生します。
今のところは点検を受けなかった際の罰則がなく、点検を受けるかどうかはユーザー次第となっていますが、給湯器の使用者のすべてが「製品を安全に使用するための保守に努める」という対象になっているので、万が一事故に繋がった場合にメーカーだけの責任になるかどうかは不明です。
いずれにしても「10年を超えて給湯器を使用する場合は点検を受けること」というルールができている以上、給湯器の機器寿命・耐用年数が20年や30年ということはありません。